こんにちは。
京都のライター/広報・宣伝コンサルタントのナガオヨウコです。
わたしは約15年、
大手求人サイトや、仕事の本質を追求する求人誌で
取材・執筆をしています。
これまでに書いた求人広告は
100件以上。
世界展開をしている大企業、
あまり知られていないけど優良すぎるB to B企業、
自動車のディーラー、
建築系会社、インテリア会社、
地元密着型のスーパーマーケット、ベーカリー、食品会社などなど。
さまざまな業態の会社に取材をして
どんな人材を求めているか?
は、もちろんのこと
企業理念、仕事内容、育成内容などを
お聞きし、求人広告の文章を作ってきました。
編集部によると
「応募が殺到。
望んでいる人材を採用できたので
しばらくは広告は出稿しません」
という会社も多いようです。
(たしかに、1度だけの広告を出稿して
それ以降は訪問していない企業も多いな
NGコピーは「元気で、やる気がある人を募集」
これまで100件以上取材した企業の
人事担当者のなかには
「元気で、やる気がある人なら、誰でもいい」
と、話す方もいらっしゃいます。
「やる気だけ、でいいのですか?」とお聞きすると
「専門知識がなくても、経験がなくても、イチから教えるので大丈夫です」
「やる気さえあれば、きっと楽しんで取り組めます」
と、おっしゃいます。
求人担当者や、求人サイトの営業担当者が書く
「元気で、やる気のある人、募集!」は
きっと、嘘やいつわりのない、本心からのコピーでしょう。
しかし、
私は
「元気で、やる気がある人なら、誰でもいい」
というお話をお聞きして
そのまま「元気で、やる気がある人を募集!」
とは、絶対に 書きません。
なぜなら……
NG理由 その① 誰の心にも刺さらない!
もし、自分が仕事を探しているときに
「元気で、やる気のある人、募集!」
というコピーを見て
「よし! 応募するぞ!」
という気持ちが沸くでしょうか。
……沸きませんよね。
なぜなら、「元気で、やる気のある人」は
誰かに向けたコピーのようで
誰の心にも刺さらないからです。
婚活サイトで
「気の合う人と出会いたい」
「笑いのツボが同じ人がいい」
と、書いている人が
いつまでたっても
「自分にぴったり合う人」と、出会えないのと同じです。
「元気で、やる気のある人」という求人コピーは
息をフーッとかけたら飛んでしまうくらい
薄っぺらいし
なんなら
息をかけてもらえないくらい
存在感がない
と言ってもいいでしょう。
どの会社にでも、どのお店にでも使える
ありふれたコピーはNGです。
書かねばならないのは
あなたの会社やお店<だけ>にしか使えない
コピーです。
そして、望む人材に
「これ! まさに自分のために用意された仕事やん!!!」
と、運命を感じてもらえるようにしなければなりません。
NG理由 その②文字数がもったいない!
求人サイトや求人誌に
求人広告を出稿する場合には
多くの場合、文字数制限があります。
限られた文字数のなかで
自社や仕事内容、条件のアピールをすべきなのに
「元気で、やる気のある人、募集!」で
文字を埋めてしまっては、もったいないです。
求人広告のお金も、もったいないです。
つまり
「元気で、やる気のある人、募集!」という求人コピーは
☑︎誰の心にも刺さらない
☑︎文字数がもったいない
☑︎広告の出稿料金がもったいない
ということで
避けた方が賢明です。
NG理由 その③〜人間の「やる気」は状況により簡単に変わる
もうひとつ、
「元気で、やる気のある人、募集!」
というコピーがNGなのは
人間のやる気は、状況によって簡単に変わるから
です。
やる気がありそうな人を採用しても
その人が、あなたの会社やお店で働くあいだ
ずーーっとずーーーーっと
やる気を継続できるわけではありません。
人間のやる気は、本当にちょっとしたことで変わります。
「最初はやる気があったのに、◯◯さんの発言で、やる気をなくしてしまった」
「気を張っていたけど、頑張りすぎて疲れてしまった」
「体調が良くないので、気力が出ない」
「恋人と別れたばかりで、仕事に集中できない」
と、いう経験はないでしょうか。
「進研ゼミでやった、あの問題が試験にでなかった」
という理由で
勉強に身が入らなくなった的なこともあるでしょう。
逆に
「先輩に褒められたので、やる気が湧いた」
「お客さまの『ありがとう』が励みになった。明日もがんばろう」
「週末の旅行を楽しむために、仕事をすっきり終わらせておこう」
「このプロジェクトが成功すれば報奨金がでるので、がんばるぞ!」
「家族を養うために仕事に打ち込もう」
と、やる気がむくむくと湧き出ることもありますよね。
人間の「やる気」は
職場環境や人間関係だけでなく、体調、プライベートの状況によっても
くるくる、ころころ変わります。
私は、
誰かの「やる気がある」を信じていないし
自分の「やる気」も信じていません。
しかし、仕事でも家事でもプライベートでも
やる気のある/なし、に関わらず
やらねばならないことは、たくさんあります。
なので、私は
「やる気がなくても、ある一定のクオリティを保てるような仕事を選ぶ」
「やる気が出るような工夫をする」
ということで対処しています。
つまりは、「やる気」という、不確かなものに頼らないための
「仕組みづくり」をしている、というわけです。
↑会社やお店に当てはめる方法は
あとで書きますね
仕事の魅力を伝えるには、まず「掘り下げる」作業が必要
わたしは、求人広告の取材では
☑︎なぜ、その業界なのか。
☑︎なぜ、その業界のなかでも、あなたの会社/お店でないといけないのか。
☑︎あなたの会社/お店<だけ>の強みは、何なのか。
☑︎仕事で得られるものは、何なのか。
これらをむちゃくちゃ掘り下げます。
細かく、そして深く深くお聞きします。
*もちろん、仕事内容もお聞きしますよ
もし
採用担当者さんが「やる気がある人を採用したい」と、おっしゃったら
これら↓ をひとつひとつお聞きします。
・採用段階で、「やる気」をどのように判断しますか?
・社員の「やる気」を出すための仕組みはありますか?
・「やる気」を継続させる仕組みはありますか?
・もし、社員の「やる気」がない場合、フォローする仕組みはありますか?
・「やる気」と「結果」を認める仕組みはありますか?
つまりは
「やる気」という、目には見えない、不安定なものに依存することなく
「やる気」があってもなくても
お客さまに何か言われようとも
体調が良くなくても
失恋直後で落ち込んでいても
「仕事を継続できる仕組みがある」ことをアピールします。
*そもそも、アピールポイントは会社やお店によって違うので
安定性/将来性/やりがい/社員自身の成長/社会貢献度/オン・オフの切り替え
などもお聞きします。
そうして
広告に入れ込む要素を決めて、構成をつくり
「刺さる」コピーを作成しています。
ちなみに、2000〜3000文字の求人広告用の原稿として
取材の所要時間は
取材対象者が1名なら
写真撮影込みで90分前後です。
求人コピーの実例
こちらは、私がこれまでに書いた
求人広告のコピーです。
(やや改変しています
●京都のB to B企業
△ 給料が良く、休みが多い。事業に安定性がある
↓
◎ バングラデシュよりも出生率が高い
●京都のB to B企業
△ 若い社員のアイデアを採用しています
↓
◎ 入社2ヶ月の社員に大手の外資系企業との交渉をまかせたところ
無事、契約ができた
●多店舗展開しているベーカリー
△ パンが好きな人なら、なお良し
↓
◎ パンが好きでなくてもいい。
食文化や店舗運営、市場リサーチに興味がある人は
楽しみながら仕事ができます
求人広告を出そうと考えてる
人事ご担当者さんや、
求人広告を実際に書いているライターさんや営業担当者さんの
ご参考になれば嬉しいです。
そして、
“刺さる”コピーを書けるよう、
そして
いい人材に出会えますよう、
お祈りしています!!!
また、
求人広告の相談にも乗っています。
お気軽にお問い合わせくださいね。
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